リスクと事故発生のメカニズム

 事故は一般的にエラーが重なることにより発生します。つまり、事故発生のメカニズムは多重エラーであり、多重エラーを排除することにより、事故発生を防ぐことができます。例えば、図1に示す様に蛇口のサーモによる温度上限機能を止めると、1つエラーが入ることになり、不注意に蛇口を開けるとやけどを起こします。それぞれのエラーには背景があり、1つの事故の背景には多くのインシデントが存在します。そこで時間的軸に沿って適切なインシデントの対策又は教育がなされることにより障害の発生を防ぐことが可能とります。インシデント対策や教育によりインシデントの連続をリセットすることが可能となり、事故を防ぐことができます。しかし環境等の要因により再び障害発生の方向にインシデントが発生する可能性があります。また行動や活動中には多くのインシデントと障害の発生可能性があり、複合的な障害と複合的な障害対策が必要となります。

図1やけど