要求仕様分析

 要求仕様分析は事業計画を支援する。例えば、プロジェクトを計画通りに進めるためには、適切な計画が必要である。具体的には、プロジェクトには、適切な開発仕様の作成と費用設定が必要となる。そこで、適切な計画立案に向けて、要求仕様分析を提案する。要求仕様分析にはコストシェアレート分析と要求仕様関係分析があり、コストシェアレート分析はそれぞれの要求仕様が占める費用割合を分析する。そして、コストシェアレート分析は費用的に見た要求仕様の重要性を評価する。図1にコストシェアレート分析の例を示す。本例では要求仕様NO13の開発費用が最も大きな開発費用を占めており、更にインターフェース関連費用の開発費用が大きいことを示している。更に、図2は要求仕様の改訂に伴う費用の増加を示しており、コストシェアレート分析により、仕様改訂に伴う費用予測が可能となる。図3は要求仕様関係分析の例を示しており、本例は要求仕様の1と2が基本仕様であることが示されており、要求仕様の1と2は詳細な検討が必要なことを示している。

図1 コストシェアレート
図2 要求仕様の変遷
図3 要求仕様の関連性分析

品質はスペック

 品質とは何か、品質とはある人には壊れないことであり、ある人には安いことであり、製造者と顧客の立場の違いにより異なる。そして、品質は必ずしもユーザの立場で考えられている訳ではない。一方、工場の品質とは製品が製作精度に入っていることであり、ばらつきがないことである。製品にばらつきがあると消費者が払う対価に対して製品の価値が保証されていないことになる。従って、工場における製品の品質とは、ばらつかないことであり、必ずしも消費者の使い勝手が良いものではない。通常、図1に示す様に製品はスペックを満たす範囲でコストダウンが図られる。コストダウンの代表的な考え方としてリーンプロダクションシステムがあり、主なコストダウン手法に安い材料や安い部品を使うこと、加工が簡単になるように設計すること、人件費の安い所で作るがある。そして、製品のばらつきを減らして製品の価値を保証しようとする手法が6σである。

図1 リーン生産方式

(1)リーン生産方式:lean product system

マサチューセッツ工科大学の国際自動車問題研究計画で指摘されている無駄のないスリムな生産方式で、具体的には,トヨタなど日本の自動車メーカで一般化している労働力、在庫、製品開発期間、工場スペースなど企業活動の中使用資源量、欠陥を減らす手法で、多様化する顧客ニーズに対応するシステムである。代表的な活動はムリムラムダの排除がある。

(2)6シグマ(シックスシグマ)

欠陥を減らすための品質管理手法であり、米国モートローラから始まった活動である。シックスシグマとは生産やビジネスにおけるエラーや欠陥を100万分の3~4の確率以内に抑えるシステム・プロセスを構築することを目的とした経営・品質管理手法のことである。